吾妻山の会

..

       中高年の山岳遭難とその対応について

                                                                吾妻山の会    

                                                                福島市山岳遭難救助隊 高橋
     1.主な山岳遭難の原因 ・予防 ・対処

 態   様      原           因        予        防             対            処










 道 迷 い
 (38.5%)













1)コ−スを把握していない。

2)道が不明瞭。
  (ガレ場 廃道 けもの道 残雪)

3)周囲が見えない。
   ( ガス、樹林、藪 )

4)道の見落とし、おしゃべりに気を
  とられて。

5)思い込み。 (○○○のはずだ。) 

















■ 山行前

1)地図、ガイドブック、経験者などから情報を
  収集し、コ−スの概要をつかむ。

2)登山計画書を作り、提出する。(最低家族
  だけでも。)
3)磁北線を記入記入した、1/25000の地図
 読みとコンパスの使い方をマスタ−しておく。
4)GPS、座標入り地図を装備し、取扱を習塾
  しておく。
   ※ GPSのみでは、道迷いからの脱出は
   困難。 GPS,地図、コンパスとの併用が
   基本。

■ 山行中
1) こまめに地図を読み、地図から得たイメ−
  ジと実際の地形が合っているか、照合しな
  がら行動する。

2)進むべきコ−スの方位角が、地図と現場で
  合っているか確認する。

3)休憩時には地図を見て、現在地を確認 
  する。 (整置するとわかり易い。)

4)時々後ろも見て置く。 (戻ることも考えて。)



1)戻ることを考える。
  今まで見てきた記憶を基に現在地を確認できる所
  まで戻る。ただし、記憶が曖昧な時はやめる。

2)尾根や頂上など高い所を目指す。
   ・大きな尾根には道や踏み跡がある可能性がある。
   ・高い所はヘリに発見され易い。

3)ビバ−クをする。
   ・自力脱出が困難な場合は、安全な風の当たらない
    場所を探し、暗くならないうちにビバ−クの準備をし、
    体力の温存に努める。
   ・ビバ−クは、周囲が開け、上空から発見され易い
    場所が適地。 
4)アマチュア無線(日頃から良く使いなれて置く。)
  携帯電話  (地元の警察署に行う。)で救助を要請
  する。

■やってはいけない事
1)やみくもに動きまわる。⇒ ますます深みにはまる。
   ・体力の消耗  ・転落の危険  ・けがの危険

2)沢や急斜面を下る。
  ・沢には、滝や岩場があり滑り易い。沢登りの技術と
   装備がないと歩けない。
            強硬突破は、事故のもと 』

3)夜間行動をする。
  ・ヘッドランプの照射範囲は狭く、方向感覚が判らなく
   なり事態をより悪化させる。


  転 倒
  (11%)


  転 落
  (5.2%)


  滑 落    (15.4%)
1)山道の歩き方が出来ていない。







2)体力、脚力の不足。




3)バランス力の低下。

4)岩場など危険地帯での対応技術がない。

5)実力以上の無理な計画。

6)必要以上にザックが重い、大きい。
1)安定した足場に靴底全体を当て、力を入
  れずに歩く。⇒猫のごとく歩く。
  ・歩幅を狭く、両足の間隔は広く。
  ・後足は、蹴らずに真上に持ち上げ、
   真下に下ろす。
  ・浮石には足を乗せない。
 『足はフラットに、体重移動は静かに』 
2)トレ−ニングにより持久力、筋力を向上
  させる。
  ・ウォ-キングなどで心肺機能を高める。
  ・スクワット、つま先立ちなどで大腿筋と
   フクラハギを鍛える。

3)片足立ちなどでバランス力を向上させる。
4)三点確保・フィックスロ−プの張り方など
  岩登りの基本技術を習得する。

5)周到な準備と無理のない登山計画。 

6)装備の軽量化。
  ・装備品の多用途化を図る。
  ・食糧、衣類を持ち過ぎない。
  ・共同装備を重複しない。
■転倒
1)痛み、腫れ、変形、出血がないかチェックする。
2)転倒した場合は、足首・手首の受傷が多い。その部位
 ・症状に応じた手当てをする。

打撲・捻挫・骨折の応急処置原則 ・・・R I C E
  Rest・・・・・安静。けがをした所をそっとして置き、痛みの
         出ることをしない。
  Icing・・・・・冷やす。水や雪で冷やす。
  Compression・・圧迫。弾力包帯・三角巾・テ−ピングなど
            で 患部を軽く圧迫する。
  Elevation・・・・ケガをした部位を心臓より高くし、出血を
            抑える。
3)擦過傷の場合は、流水・水筒の水などで傷を洗う。
  その後消毒し、ガ−ゼなどで患部を保護する。
4)自力で歩ければ、サポ−トして歩く。 歩くことができなけ
  れば、背負うなどの自力救助を行う。それも出来なけれ
  ば、救助要請をする。

■転落、滑落
1)冷静になり、事故者に向かって呼びかけをする。
2)呼びかけに反応がない場合は、救助を要請する。
3)もし可能なら現場へ下降し、状況を確認する。 必要なら
  応急手当をする。
 ※救急法、救出方法、搬送方法などのレスキュ-技術と
   装備が必要。
   携帯電話以外にアマチュア無線機を携行し
   通信手段を確保することが重要。

 体調不良
1)過労・睡眠不足

2)普段やらない事を急にやる。

3)深酒。
1)数日前から十分睡眠を取り、疲れをため 
  ない。
2)ウォ−キングなどにより身体を慣らして
  おく。
3)摂生をする。
■山行前
  ・無理に参加せず、思い切って不参加とする。
    (山で迷惑をかけるよりはいい。)

■山行中
  ・迷惑をかけまいとして、頑張り過ぎない。
  ・体調不良を早めに申し出る。
  ・リ−ダ−は、メンバ−の顔色を見て、不調者を早く
   見つけて対処する。 


 病  気     (8.5%)
1)持病がある。
   特に高血圧・心臓疾患・糖尿病
2)自覚しない疾患がある。
1)主治医に登山が出来るか相談しておく。
 メンバ−には持病を事前に知らせておく。
2)健康診断を受け、登山に耐えられる身体
  か知っておく。

                                                    Back